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第20話

まな板の上のお人形さん その2 黒とアイボリーを基調にして木目を生かした落ち着いたフロントの横個室に案内し、 「どうぞお座りください。飲み物用意します。何がよろしいですか? コーヒー、紅茶、お茶にジュース、コーラもあります。」 「…紅茶を、お願いします。」 へー今時の男子が紅茶ね、 「アイスでもホットでも、ミルクとかレモンは⁇」 「あの、あったかいのをミルクで」 「はい、」 午後ティーとか飲んでそうかなと思ってたら、あったかい紅茶なんだね、 外観が見目麗しいだけに、あったかい紅茶も似合うかもなんて考えながら 説明のためのパンフレットを並べ始める。 机の上に並べられた写真付きのそれをじっと眺める彼。 切れ長の眼、少し薄茶色の瞳、 ふーん、見れば見るほど綺麗な子だなぁ 「どこを考えてらっしゃいます⁇」 「どこ?」 暫くして、真っ赤になった。 「どこどことこって、 あの、あの、脚の上の」 「脚の上⁇ですか?スネ毛⁇」 「え。もっと上の…」 「もっと上…うーん、太もも⁇」 まさかこんな美少年の太ももに毛が⁇ 「ち、違います…その上の付け根のあたりの」 「ああ、わかりました。 ビキニライン ですね!」 益々真っ赤になった彼は こくこくと頷くことしかできないようで、 笑いを堪えるのに大変だったわ。

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