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第24話
まな板の上のお人形さん その6
三枝君が不安にならないよう
俺にしては200%頑張って説明した後、
重なるショックで、少々お疲れ気味の三枝君を
まな板、にいや、施術用ベッドにあげました。
部屋にはリラックスできるように軽くお香も炊いてある。
オーナーの趣味でベルガモット系の濃厚な甘さの香りなんだけど、三枝君は気に入ったのかを、感じる余裕もないのか、すこし涙目になりながら、まな板の上でガチガチになってます。
「三枝君、寒くない?
もう少しあったかくする?」
頭をブンブンと横に振って、か細い声で
「だいじょうぶです…」
「ガウンを脱ぐから、少し温度は上げようね〜」
と言いながら、ルンルン気分でガウンの合わせを開く俺
うわー、綺麗だよ
透明な乳白の肌、薄ももいろの乳首、
匂い立つような張りと艶
俺は別に詩人でもなんでもないけど
春のひと時に限りなく透明に咲く、桜の花、思い出した…
あ~
鼻血出そう〜〜
って、俺
ゲイだったか?
しばし唖然の俺に
三枝君の一言は
「あの、トイレ行っても良いですか?」
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