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第29話
姉貴と僕 ①
僕の高校生活は
学校では普通に、大人しく、目立たずにクラブは手芸部。
家に帰れば
姉貴の要求に応え、女装あり、アクセサリー、小物制作ありの、毎日を過ごした。
渋々でもなんでも、姉貴の言う通りだった僕が、
確りと選んだのは今の大学。
手芸部の僕が理工系なんて、姉貴も驚いていたけど、前から数学とか物理とかは好きで、父親も数学の教員だったせいかなんでも家で学べたので、自然とそちらの大学に行こうと思ってた
手芸はあくまでも、趣味ですからね。
あの着々と仕事量を稼いで完成していく積み上げが、数学的な回答の仕方と似てる様で、僕的には好きなんだ。
そんなこんなで
大学も2年のある日
久しぶりに試験の後の休日
用もなく家で寛いでいたら
姉貴が会社から早退してきた、
なんか、やな予感…
「ちょっと、これ、これ来て見て」
「はいはい」
「今度うちの会社でも推したいと思ってる下着なんだけど」
「え?⁈下着?下着って女物?」
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