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第31話
キッスの日 その1
(記念日閑話休題)
今日はキッスの日
と朝のラジオから聞こえて来た言葉
キッス?ああ、キスのことか
そのぐらいの薄い感覚で
家を出た。
今朝は2限からだから、少しゆっくりできた朝に
久しぶりにスマフォのRADIZOをタップして、FMで音楽でも聴こうとしたら、流れて来た
キッスの日
なんで小さいッが入るんだろう?
なんて余計なこと考えながら、改札を通り、朝の本数多い電車に乗り込み、
チカン防止にバックをお尻に、手はチカンに間違えられないよう、つり革にあげる。
「はー、この時間も、割と混んでる」
思わず呟いちゃったら、
隣の男性(背広来てるから、多分)が、
電車の中で声を聞くのは珍しいのか、
顔を傾けてぼくの顔を見て来た。
「す、すみません」
と誤る僕に
「いや、ホント混んでるよ、ね、
偶に乗るときついね」
隣の男性、背が高いから僕の髪の毛の横から声がする。
思い切って、斜め上を見るように顔を上げると
「あ、美形…」
と呟く声が聞こえた。
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