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第35話

姉貴と僕 ③ 僕のうちには 姉貴関係の仲間がよく集まるので、壁3面鏡が貼ってある、ある程度の撮影なら可能な部屋と、その隣に化粧室と化した着替え用の小部屋がある… 服を脱いで、裸の身体にガウンをまとった僕が 鏡のある部屋に出てくると、 何やらスマフォのレコーダーにブツブツと録音してた姉貴、 持って来たカバンの中から、 「じゃ、これね」 と取り出したのには口が空いたまま、ボーゼンとしてしまった。 「なになに、うわ! 紐じゃん、紐」 いつの間に集まってきた仲間の1人、 流星の言葉に僕は泣きそう。 所謂紐だけで組んだ様なワンピーススタイルの下着 「その編み方が凝ってるでしょ。 色が微妙に変わる薄いオーガンジーを撚ったように編み込んで行って、大切な部分を隠してるの これね、自信作なんだけどね〜」 「いいじゃん、いいじゃん 着てみたら、もっと編み込みが伸びたりして、肌が透ける部分が出てくるから、ちょっとワイルドになるかも 早よ、着て見て」 急かされて、泣きそうになりながら となりの部屋で着替える僕は 生贄の子羊の気分だ、 履いて見ると、男の大切な部分に編み込みが食い込んで、少し擽ったい… 女の人は出てないから大丈夫なのかな、とか、なるべく現実的な事を思う事で恥ずかしさを忘れようと努力努力。 陰部を僅かに覆って捻った編み込みの紐が上半身の、女の人なら乳首のへんで、小さな編み込みのカップになっている。紐はそのまま首に回って後ろで結ぶ。 僕はオッパイはないので乳首が上手くカップに入ってないかもしれない。 心配しながら、出て行くと 姉貴が早速、首回りの紐の調整しながら 乳首の辺りを何やら不満げに見ている。 「あんた、やっぱり豊胸手術する? 裸になるとやっぱり胸のラインが違うわねー」 などと恐ろしいことを言い出した。 「やめて、やめて、絶対しないから」 と益々涙目の僕に 流星が焼けそうな視線でガン見してくる。僕が泣くのがそんなに好み? 本当に嫌なひとだよね。

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