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第49話
① 先生の秘密 その5 預かりもの
頭を抱えて落ち込んでしまった先生。
兎に角このままでは拉致が開かない……
「 先生、帰りたくないって、一緒に住んでるんですか? 」
「 いいえ、輝(テル)とは別です。でもマンションは隣部屋なんです……」
「兎に角、今日はこのまま帰って、テルさんとやらと少し時間をかけて話し合う努力して」
考えれば考えるほど、あまりのアホな発想に愕然とする。なんで好きな人のいる職場に変わんなきゃなんないんだ?
この双子、両方とも変わってるのか?
「橋下先生、弟さんの名前はわかりました、で、先生の名前は?」
「輝く未来、です 」
は?
「ですから、、、輝く未来で、
僕は橋下未来(ミク)です 」
「未来と書いてミクね 」
コクコクと頷く先生に、
「2人が、形容詞と名詞で、繋がりがある素敵な名前!
話し合えば未来が輝きますよ 」
とか、帰りたくなさそうな先生をなだめながら、髭は預かる約束をした。
明日は先生はお休みだから、週明けの月曜日朝9時に一駅前の路地裏の先生曰く"地味"な喫茶店で会う事を決めた。
すっかり帰りが遅くなって、家に着いた途端、ピコンとメッセの音がした。
安藤君からだ。
《 美味いパンケーキのモーニングの店見つけたから、朝8時半に荻窪駅な、待ってるから〜》
珍しく僕より先に帰っていた姉貴が、横から僕のスマフォの手元を覗き込み、
「朝?モーニング?早朝デートw お盛んね〜」
早朝デート!という言葉が頭の中をぐるぐるして、
なんて返そうと混乱している最中。
もう一個流星からメッセが。
《 明日の朝、迎えに行くから、
撮影会の打ち合わせ 》
更に混乱した僕は
《 わかりました。明日の朝、
よろしくね 》
と送ってから、愕然とした。
よく見たら、後の流星から来たメッセに間違えて返信してた。
オロオロする僕に姉貴は大爆笑。
その後、流星の方には先に約束があった事を話し、相当嫌味を言われた。
午後、流星も用があるとかで、
打ち合わせは中止になったのだけど、やけに簡単に引き下がった流星に、とっても嫌な予感がする……
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