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第50話
閑話 パンケーキはやたらとホットでした その1
翌朝、やはり安藤君が誘ってくれてのが嬉しくて、早くに起きた。
8時に荻久保だから、30分前に家を出れば大丈夫。
ドキドキして来た僕は、
時計を見るスマフォが手から離せない。
顔を洗うときにもスマフォを、片方ずつ手に持って、
不器用に洗ってしまったためにえらい時間が取られてしまった。
焦ってもう出なきゃと、玄関のノブに手を掛けたら、
ビーッとばかりにインターホンが鳴った。
え?こんな朝に誰?
と思いながら、手を掛けたドアノブを回して扉を開けると、
そこに立っていたのは
なんと流星
「おう、はよ、」
口がパクパクしたままの僕に
流星が当然のような口ぶりで、
「俺も一緒に行くから
パンケーキのモーニングだろ?
荻窪のカフェ、美味いって有名だよな」
びっくりしたままの僕は、
流星に腕を取られてそのまま駅まで連行され、電車に乗せられて。
安藤君との待ち合わせ場所に不本意にも流星に連れられて来てしまった。
あっ、安藤君、今朝もかっこいい…
と見ほれたぼくにチッと舌を鳴らす流星
その音に流星に腕を取られていたのを思い出し、慌てて、腕を外そうとしたのだけど、その腕は今度は僕の肩に回ってしまった。
ギャーなんで?
これじゃ仲良しみたいじゃないか!
慌てる僕に安藤君が気づいて、当然横の肩組んでる流星にも気がついた。
僕の方へ近づきながら、
眉を寄せた顔もかっこいいなあ〜と見とれてる僕の肩を余計に強く掴む流星。
「三枝、おはよう」
…横にいる流星を、見やりながら
誰だ?こいつは?と目が語ってる。
「おはようございます、安藤君
あの、この人は……」
と、流星が突然。
「俺は、杏果の兄だよ」
( ええ?俺には兄貴はいないんですけど )
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