51 / 325

第51話

閑話 パンケーキはやたらとホットでした その2 兄はいないと言おうとした僕の頭を抱え込んだ流星が囁く。 「俺には妹もいるんだよ〜〜とかさ、 言っちゃおうか?」 「うっ、」 「彼には言ってないんだろ?」 「うう〜」 これはもう、流星にやられた。 「三枝のお兄さん?」 納得いかないように、 眉を寄せたままの安藤君に曖昧な笑みを見せた僕は、 大人しく三枝君と流星に挟まれて、 その美味しいと評判の パンケーキモーニングのカフェに向かった。 「ここだ」 と安藤君が指した先は、 昔の蔵風の外観の二階建ての建物。 白い壁に下半分は海鼠の模様。 重そうな蔵戸は開いていて、中にもう1つ片引きの大きな硝子の框戸がある。 「わあ、素敵な店だ~」 と思わず声に出てしまった。 引き戸を、開けた途端に言った声が割と大きかったらしく、 中のどっしりした格子柄のカウンターの中に立っていた男の人に笑われてしまった。 恥ずかしいと俯いた僕に、 かかった声。 「杏果?、あれ?、おはよう〜」 え?と顔を上げると そこには、満面笑顔のえーすけがいる。 「え?えーすけ?なんで?」 「おう、俺、ここでバイト始めたんだ。 よう〜王国に、へー流星まで どんなチームなの? 」 僕たち3人を見て、全員知ってるえーすけは少し驚いたように疑問を口にした。 お互い顔を見合わせながら、なんと言ったら良いか…… 3人が3人とも考え中。 「 ま、とにかく、いらっしゃいませ!」 とえーすけが声をかけると、玄関から一段下がった奥の広間から男の人が1人出て来た。 「 いらっしゃいませ、三名様ですか?」 凄いな、この人もイケメン。 柔らかそうな笑みを浮かべて、 深いグリーンのシャツに黒のカフェエプロンを、腰につけ、漆黒の長めの髪も美しい。 少しの間見ほれてた僕に、安藤君と流星が揃ってなにやらちっと舌打ちしたような…… 3人です。という流星と 2人ですから。という安藤君に挟まれた僕は、今度こそ本当に真っ赤になって、俯いてしまった。

ともだちにシェアしよう!