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第54話
③ 先生の秘密 橋下先生の週明け
その1
週明け
結局照に何も言えない、変わらなかった僕は、
約束のカフェにすがる思いで行った。
他力に頼るしかできない僕の現状。
それでも、彼女は今しっかりと預かってくれてるはず、はず。
だが、
そこには厳しい顔貌の女の子。
「先生。週末、なーんにも伝えなかったの?」
「はい」
「全くー、髭は預かるけど、私のやり方でやっちゃいますよ、大丈夫?」
「ど、どんなやり方?」
「そりゃ、その好きな人探して、弟さんに告白させて、先生の仕事の立場は助かるって、感じ、」
「え?告白。させる?」
「当たり前じゃない、今を打破したでしょ?!」
「…はい…」
「木曜日が弟さんと交代する日ね、任せなさい。先生はなんとかテルに探りを入れて好きな子を調べるのよ」
「え?どうやって?」
「お酒飲ませて酔わせるとか、
スマフォで写真を撮ってないか調べるとか」
「テルは僕よりお酒は強いですし、
スマフォ?暗証番号知りませんし」
「うーん、
仕方ない、小野で探ってみるか……」
「え?小野くんに何をさせるんですか?」
「小野さんに先生の話題を振ってみるんですよ。あの人結構ゴシップ好きだから、なんか観察してるかもしれないし。
小野さんに媚を売るのは心外だけど、先生のために一肌脱いじゃいますから!」
(なんか、この子、この間より強い…)
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