③ 先生の秘密 橋下先生の週明け 小野さんと三枝君 その1 橋下先生に髭を渡し、 時間がないと慌てて、駅近の高層ビルのトイレで着替えようと小走りで向かった僕。 今日はさすがに、男子トイレに入って着替える予定だったから、男っぽい服装にしてたけど、化粧落とさず入ったトイレで、中年のサラリーマンにガン見されてしまった。 しかし、そこは新宿、化粧する男子も珍しくない。サラリーマンは不審そうな顔はしてけど、そのまま出て行ってくれて、良かった~。 素早く個室で化粧を落とし、(高層ビルのトイレって、綺麗だから助かる。 女装するのに、こういう知識は大切なんだよね) カットソーを男物に着替えて、鏡の前で服装チェックした後、小野さんを始業前に捕まえるために、急いで学校へまた走った。 朝早いから学校のエレベーターホールの人影もない。 こんな日常じゃない予想外の朝に安藤君に会ったりしたら、昂ぶってる気持ちに拍車がかかり、舞い上がっちゃって、小野さんへの調査をすっかり忘れそうだから、助かった。 13階にエレベーターがつき降りたその足で、すぐ準備室に向かう。 朝早くから準備室にいるはずの小野さん。ノックして、入った部屋にやっぱり座ってパソコン覗き込んでる小野さんが居た。