57 / 325
第57話
③ 先生の秘密 橋下先生の週明け
小野さんと三枝君 その2
小野さんは高校で姉貴の後輩で、僕の先輩。
この人の女装、美少年好きのオタクぶりは学校でも有名で、妄想の果てに小説を書き始め、高校生の時にネットの投稿小説で賞を何回も取ってるような人。そこを姉貴に見込まれて、撮影会たんびに、記録取ったり、当日参加者の手配したりと、姉貴の家来同様。
本人はそれを気に入っているのだから、僕が口を挟むことじゃない。
この人結構優秀だったらしく、僕がこの大学に決めた時に、姉貴に僕を護れと言われてここの助手に収まったらしいけど。護られてる感じはまるでないよね、かえって、資料まとめとか準備とか、こちらが使われてます。
兎も角調査しなきゃいけない。
小説書くだけあって、観察眼は鋭い人だから、きっと何か勘付いてる、と思う。
「小野さ〜ん、おはようございます」
「うん?きょうかちゃん、早いね、どーしたの?」
「今度の合同撮影会、小野さんの方も何人か連れてくるんですか?」
とか、普通?の話から入った。
そんな話をしながら、この学校の美少年の話題に移すと、眼を輝かせながら、聞いたこともない名前がズラズラ出てくる。どんだけ観てるのこの人は?
と感心しながら、橋下先生の話しを振ってみる。
「橋下先生も髭無くしたら、意外に可愛い綺麗な顔してませんか?」
「あー橋下先生ねー」
そこで少し考え込むように、
「ここだけの話、あの人二重人格だもの、というか、時々違う人が出てくるんだよね」
「え?」
やっぱり小野さん気がついてた?
「木曜だけ、感じが、違うんだよね。
普段は大人しくて、フット可愛い感じが溢れるんだけど、木曜はね、強くて男って感じになるんだよ。ね、
女子の中では結構話題になってるはず」
「へー、例えば木曜だけ授業で、なんか気になることがあるとか?」
「そうじゃない。俺はトイレであった時の違和感が、気になる」
「はぁ!トイレ?」
ともだちにシェアしよう!