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第62話
⑦ 杏果語り…先生の秘密解決蛇足
愛されてるね、わかりにくいけど、
愛されてるのは先生なんだ。
カフェで会った一度で、どんなに愛してるか見せつけた双子の弟さん。
兄弟だから尚更わかりにくいのかも
と、思いつつ。
これであの2人の間は、双子の兄弟から、恋人。えっ!恋人に?
あの日、小野さんに資料室で聞いた話は、僕の想像を確信へと導いた。
弟の照さんは、先生を離したくなくて、そばに感じたくて、おそらくは、そんな気持ちを抱えて、お互いをお互いが騙しながら、
それでも一緒にいたいという気持ちが、捩れてあんな交代劇に発展したんだ。
美少年オタクの小野さんを牽制するあまり、トイレで自分のものを見せびらかしたり。
あの日小野さんが僕に伝えた言葉。
なんか、木曜だけ無理を言ってきて、俺には男を滅茶苦茶アピールしてくるんだよね、嫉妬丸出しのような、
何に嫉妬されてるのか全く理解不能……もうね!精神分裂症?病気?かと思って、普段の先生まで、最近は敬遠気味だよ……
この先は2人でなんとかしてくれないとね、と、預かってる髭渡し忘れたけど、もう捨てても良いかもね。
しかし
女装してる僕って
男らしい〜〜www
無理強いな感じが強いこの格好だけど、
結構楽しくない?
いやいや楽しくないよー
僕って、股裂状態?
と思いつつ、早く着替えて授業に出なければ、と
気合を入れなおす。
バレないようにバレないように……
次の日、先生からラインが来た。
いやいや先生じゃないね、あの照って人だ、これ写したの!
なんか怪しい乱れ方をしたベッドの上、
シワシワなシーツに包まった寝姿。
ほっぺた桃色にして、疲れ切った横顔。
なんでか、肩と背中が出てるんだけど、裸なの?
僕に見せつけてどうするんだろ?
おまけにこれラインだよ?
セキュリティーに疑問ありの。
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