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第73話

合同撮影会 その2 僕らの控え室に姉貴と陽子さんが入ってきた。 半裸の僕らを臆面もなく ざっと見回した後、 「 最初はロリータから、 次はセーラー服。 で、次はコスプレにいって、最後は水着と、一部下着ね 」 って、下着は一部なの?え? 理解できない状態で、僕は隣に立った陽子さんの腕を捕まえた。 「 下着、一部ってなに? 全員じゃないの? 」 「 あー聞いてない? 下着は杏果と、もう1人誰だったかしら。 今回初めての子、だと思ったわ 京子〜下着はもう1人誰?」 「 あ、えっと、あなた、あなた。 泉君 」 と姉貴が指差したのはさっき僕が声をかけた人だった。 初めてで、下着⁈大丈夫なの? そんな疑問も和也さんが持ってきた衣装の着付けで、忙しくなった。 彼にかける言葉もなく、 慌ただしい撮影会に突入。 スタジオに入って見ると、 プロのカメラマンが照明の位置の調整をスタッフの人にのんびりと指示していた。 何回めかの合同撮影会に慣れてきた僕は、 スタジオをなんとなく見回す。 うわわ、 今日も来てると思ったけど、やっぱり来てる。 それも周りのカメラ抱えた男たちは、知り合い? そこだけ5人ほどのグループで固まり、談笑してる1人はぼくが苦手な 人… 市橋流星。 見つめる僕に気がついたのか急にこちらを向いた流星が、 うっすらと浮かべた笑みに背筋がゾクゾクした僕。 なんだろ?いつにも増して、知ってるぞ的なあの笑みは…

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