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第81話
合同撮影会 その10
「 そんなことを急に言われても、僕だってかれと親しいわけじゃありません。
困りますそんなこと」
目の前のスターはますます頭を低く下げて、
「 おねがいだ、君らは歳も近い、さっきはそんな格好で一緒だっただろ?とにかくかれと話せるのは君しかいない気がするんだ」
「 そんな格好って……」
そりゃ、ひとめもはばかるようなエッチな下着姿ですが。
そんな状況も関係ないのかこの有名な俳優さんは必死の様子で、
「 おねがいだ!渡してほしい、そして会って話したいと伝えてくれないか 」
なんか、渡すだけじゃなくて話しを伝えてなんて、レベル上がってない?
まったく話の見えない僕が封筒を持ったまま呆然としていると、後ろから足音がした。
「 何してるんですか?
あなた、俳優の……加太 」
流星だった
男の人はビクッとし慌てて帽子とサングラスをして、逃げるように出て行ってしまった
流星…
「 大丈夫か、あの人は俳優の加太タケルだよな 。
どうしてこんなとこにいたんだ?」
そうだ、僕はトイレに行くところだった!
話しかけてくる流星を置いてぼくはトイレにダッシュした!
個室に入って、ヒモのスキャンティーをどうやらやっとこさ解いて下ろして、
はあ〜〜間に合った〜〜(*´-`)
なんとかスキャンティーを締めなおして個室から出ると、そこには流星が待っていた。
なんかエッチなこととかされちゃう?とらドキドキしながら横を通り過ぎようとすると、
「 何があったのさ、その封筒は何?
何か頼まれごとしてたよな 」
あっ、聞いてた?
「 あの俳優、最初からスタジオウロウロしてたよな。何が狙いだって? 」
トイレに、いつまでもいるわけにもいかないし、この話も流星にしていいやら判断がつかないので、流星を促してとにかく控室に向かった。
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