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第82話
合同撮影会 その11
そうだ。今なら、泉くんに封筒を渡せる。それで終わりにできる。
と、せくように控室に戻るとそこにはいつもの顔ぶれしかいなかった。
「 どーしたの?おしっこでも行ってた? 」
ある意味図星の指摘。
姉貴流石だって、でもこんな所でおしっこなんて言うなよ〜〜と思いながらも。
「 他の子たちは? 」
と聞くと、
「 みんなとっとと水着脱いで帰ったわよ、
やっぱり恥ずかしいのかしらね 」
と、当たり前のことをのんびりと言っている。
陽子さんは、
「 でも水着なら男のものより出てるとこが少ないのに。スクールもあったしね〜〜 」
「 って、陽子の言い方だとただの変態撮影会みたいだな 」
と和也さんが噴き出す。
僕がその間にさっさと着替えてると
流星が、
「 すごいな、こんなみんなの前で恥ずかしくないのか 」
とつぶやいたのが聞こえた。
もう、急いでるんだから無視無視。
あらかた着替え終わったところで、
僕は姉貴に泉くんのことをたずねた。
「 え?泉くん、誰からの紹介だったかなー陽子覚えてる?」
「 うーん、嶺さんのプロダクションから紹介されて、割と強く言われたし断る理由もないしって言ってなかった? 」
「 そうそう、嶺さんのところの新人。
確か今から売り出したいから、その前に人前でってことだったわ 」
「 連絡先、わかる?」
「 えーと 」
とスマフォをスクロールさせて、
「 うん嶺さんのしかわからないわ 」
「 なんで?彼になんか用なの?
嶺さんの事務所にいけばわかるんじゃない? 」
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