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第87話

合同撮影会 その16 「 それで? 」 「 で、デモビデオ撮影するので見てもらえないかと 」 「 ふーん 」 嶺さんはさっきの勢いはどこへやら、しばし考え込んでいる。 すると小野さんが救いの手? 「 俺が撮ろうか? 」 「え? 」 「 だって、誰が撮るのよ 」 計画性ないのがバレバレ、このままだと話しにならないとくんでくれたのか。ありがとう、小野さん。 「 お願いします!撮ってください 」 頭を下げて小野さんに頼む僕と流星を見て、 「 いつ頃持ってこれる?そのデモ 」 と嶺さんも小野さんが撮るということで、まともなビデオにはなるとふんでどうやら応じてくれたみたいだ。 ホッとしたのも束の間、 「 そうそう、泉くん、どうだった? 」 と嶺さんが思いっきり直球で話題をふってきた。 「 ああ、紹介頂いて良かった〜〜 すごく肌も綺麗だし、雰囲気あって人気もあったの。これから売り出す子なの? 」 と姉貴が無難に話を向ける。 「 うん、まぁ…… 今回のは本人の希望でね、 女装に興味があったのかな。 ちょっといわくつきというか、僕も知り合いから頼まれた子だから、詳しいことはわからないんだけど 」 みんな心当たりがありすぎて、場がシーンとなった。 「 いわくつきって? 」 と和也さん。 「 そう、ぼくのよく行くバーで働いてる子、街でフラフラしてるところを顔に惹かれたオーナーが拾ったらしいんだけどね、この撮影会の話をオーナーとぼくが喋ってたのを偶然聞いたらしくて、オーナーからぼく頼まれたんだよ 」 街で拾われた? あの有名な俳優のスタジオでの姿と重なって泉くんへの大きな疑問が又増えた。

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