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第88話

合同撮影会 その17 食べて呑んで、10時を少しこえる頃に打ち上げはお開きになった。嶺さんはどこかに呼び出されたようで少し前には席を立っていった。 この店うまいわ~と、あの奇麗だけど無愛想なお姉さんにしっかり告げて。 会計をする姉貴を待つのに、小野さんと流星と並んでのれんをくぐって外に出た。 「 え?三枝? 」 振り向くとそこには安藤君。 「 あっ!安藤君……」 うれしくて破顔した僕の肩に流星の腕がからみついた。 安藤君は流星と僕とを疑わしそうに眺めた後、ゆっくりと横の人に視線を移した。 「 助手の人まで、なんの集まり? 」 少し不満げにその形の整ってる眉をしかめる安藤君。 僕はからみついてる流星の腕を払いつつ、頭の中は言い訳どうしようといっぱいになる。その時自動ドアから姉貴と後2人が出てきた。妙な雰囲気の僕らに 「 あら、どうしたの? こちらの人は? 」 と姉貴が安藤君を見やると、 「 僕は三枝君と同じ大学の安藤です 、最近仲良くさせてもらってます」 「え?まぁ?それはそれは! わたしは三枝響子、杏果の姉やってます 」 急に顔をほころばせてにこにこする姉貴と陽子さん。ほれほれ、紹介しなさいよと言いたげな僕に向ける視線。 仕方なしに一緒にいる人たちの紹介をする。みんな、余計なことは言わないで〜〜と心の中でとなえながら。 「 安藤君、えっと、今日はこの姉 の親しい人たちと飲み会をしたんだ。おいしい店があるってこちらの陽子さんが教えてくれたから 」 今日の集まりの目的はぜったいに言っちゃダメ!とみんなへの牽制で飲み会ということにした。 「 こちらの人は、佐伯和也さん。姉の仕事の仲間の人 」 和也さんは紹介すると軽く頭を下げ下げてくれた。できてる人だ。 「 あとは、わかるよね 」 小野さんと流星ははしょった。 本当に適当な紹介にまだ疑わしそうな目をした安藤君だったけど、一応飲み会という理由を納得したのか僕に、 「 三枝は明日からは暇になるんだろ、たしか今日まで忙しいって言ってたもんな 」 「 う、うん、そう 」 合同撮影会で何日か安藤君との遊びの約束を断っていた僕は、さっきのビデオ撮影の話をすっかり忘れて答えた。 横から流星が 「 おい、あれはどうするんだよ、早くしないとダメだろ 」 「 僕はいつでも用意できるから、なんなら今夜からでもいいよ 」 と小野さんまで~

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