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第89話
合同撮影会 その18
安藤君今度こそ胡乱げな様子で
「 三枝、なにか言いにくいことでもあったの? 」
僕が焦りながら返事をする前に流星が
「 杏果はちょっとこれから用事があるから、またな 」
「 小野さん、今から大丈夫なら、さっさと撮っちゃいましょう 」
と疑われても仕方のないことを言ってしまう。
さすがに和也さんが心配して、
「 今夜は三枝君疲れてるだろうから、また日にちはあとで調整すればいいんじゃないか。
小野君も疲れただろ?」
ととりなしてくれた。
姉貴も
「 杏果、わたしも今日は家に一緒に帰るから、安藤君となにか打ち合わせあるんだったら、そこのカフェで待ってるわよ 」
と言ってくれたので、その場はそれでおさまった。
良かった〜とほっとしながら、
「 安藤君、その明日は 」
「 明日は前から誘ってたシーズワールドで花火があるから、プールもあるし朝からどうかと思ってたんだ 」
「 プールも?あ、しばらく行ってない、行きたいな! 」
不満そうな流星を和也さんが引っ張っていってくれたので、店の前からすこし避けた路地で安藤君と話すことができた。
さっきの話、気にしてるかな?と思ったけど別に質問もされないから、僕もそのことには触れなかった。それより明日の予定を話す方が楽しくて、姉貴にもう帰るわよと声をかけられたのが30分後だったのには驚いた。
安藤君と明日の待ち合わせの時間を確認して、こんな街中じゃこの間みたいにさよならのキスもできないなと、 すこし名残惜しげに、
「 じゃあ、明日ね 」
と安藤君とのお別れをすると、
「 へー杏果にもカレシができたんだ 」
とニヤニヤしながら姉貴が耳元で呟いた。
「 カレシ!え?!カレシ、なんかじゃないよ! 友だちだよー 」
と真っ赤になった僕は、家に帰るまでその言葉が頭をクルクル回ってた。
なぜだか火照る身体で、シャワーを浴びて、ベッドに入る。
そして
友達とはキスはしないよね、
"安藤君 イコール カレシ"と繋がった途端にドキドキして身体が疼いて、
どうしたんだろ、こんな暑い身体、自分じゃないみたい……
スッカリ硬くなってしまった"あそこ"をどうしようもなく始末して、
その日は朝方まで寝れなかったじゃないか……まったく〜〜。
(それにしても安藤君とあそこで会ったのは偶然?あの近くに住んでるのかなぁ)
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