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第92話

プールでデートは危険です その3 湘南まで約2時間、ワイドビューの名前の通り広い車窓から見える景色がどんどん海一面になってくる。 「 すごいね!海だ 」 子どもみたいにそんな感想しか浮かんでこない。 そのくらい走る電車の左側はなにもさえぎるもののない海だ。 安藤君はそんな僕を 見て嬉しそうに笑ってる。 「 三枝はこの電車初めて⁇ 」 「 ていうかこっち側へ来るの、すごい小さい頃来た覚えがあるくらい、久しぶり! 」 「 三枝の初めてゲット 」 と小さくつぶやいた安藤君の声に 「 え?」と振り向くと、 スマフォを構えた安藤君に写真を撮られた。 恥ずかしくてまた窓の方に顔を背けた僕の手を取り、指を絡ませしっかりと握ってくれる。 これ、これが、恋人握り? 真っ赤になった僕の耳に唇を寄せて、 良かったら今夜一泊しようか とささやく安藤君。 心臓がドキドキして頭が沸騰した僕の応えを聞いた安藤君が爆笑する。 「 替えのパンツ持って来てない…… 」 「 三枝、本当に可愛い 」 周りの人が聞いていたら、バカップルそのものの会話。 後ろの座席から押し殺した笑い声が聞こえてのは気のせいかな? " まもなく◯磯、◯磯駅に到着します" というアナウンスが入って僕らも降りる支度をする。繋いだ手を離さなくちゃならないのが少し残念。 駅に降りると、潮の香り。 「 うわーー海に来たって感じだな 」 「 ホント、潮の香りがする 」 ホームから降りる階段に向かう途中、後ろから声をかけられた。 「 あの〜、すみません 」 えっと思い振り向くと女の人が2人いた。一瞬いやな予感がしたのは当たってた。 「 シーズワールドに来たんでしょう⁇ 2人で来てるの?私たちも2人なの、 一緒しません⁇ 」 疑問符重ねたちょっと強引な物言いにひいた僕。安藤君を見上げると、すっと僕の背中に手を当てて、 「 ごめん、僕ら色々2人で計画あるので 」 そのあとも少なくとも2回は一緒に、と声かけられたけど全て安藤君が断ってくれた。うまいな、僕じゃきっと流されそう。

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