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第93話
プールでデートは危険です
その4
駅から広い広場のあるデッキ伝いでシーズワールドの入口に繫がる。
夏休み始めだけあって、朝一番の時間帯なのに券売り場はとても混雑していたけど、前売券を持っていた安藤君と始めだけ並んだだけでゲートをくぐった。
「 どうする?まずプールに行く?
午後からだとアトラクションのあるプールは混んでくるから 」
「 そうだね!プールにしたい 」
早足になった僕の手を引っ張り、
「 そっちじゃないよ、プールはこっち 」
もともと方向音痴の僕はしっかり安藤君の腕につかまった。
周りの人たちにガン見されてるのに気づいたのはプールのゲートを通過して更衣室に入った後。当然男のだけの更衣室で、腕を繋いで入ってきた僕らをみんなが唖然と見ている。人の視線の前で着替えるのに慣れてるから、ポンポンと気にせず脱いだ上半身裸の僕に、
「 三枝はトイレで着替えたほうがいい 」
「 え?なんで? 」
「 なんでも! 」
と言われて、また手を引っ張られてトイレの個室の前まで連れてこられ、
これが水着だから、と袋を渡され個室に押し込まれる。
後ろを振り向いたら、何人かの目が僕をじっと見ている。
なんだろう?へんなもんでもついてた?
個室の中ですべて脱いでから、そうだバック持ってこなかった、中にインナー代わりのビキニを入れてきたんだ……気づいた僕がトイレから顔を出して、
「 安藤君ごめん、バック取って 」
というと、またしても男の目が真っ裸でドアから半身をさらした僕に集まる。
「 うわ!ちょっと待って 」
と言いながら慌ててバックを持ってかけてくる安藤君。バックごと僕を個室に押し込んでため息をついてる。
「 三枝〜もう少し危機感持とうよ〜 」
と言われてもなんのことやらさっぱりわかりません。
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