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第94話
プールでデートは危険です
その5
バックからビキニを出して履く僕の様子を安藤くんがちらちらと見てる。
「 やだ、恥ずかしいからあっち向いてて 」
「 う。うん 」
安藤くんの喉がなったような気がしたけど、喉でも乾いてるのかな?
今朝姉貴に言われたビキニをインナーにはなるかと思ってとりあえず持ってきたけど、良かった!
安藤くんのお兄さんの水着はオレンジとイエロー系のストライプで、大きさはおへその下で紐を結ぶとちょうどよい。
お待たせ!
と言いながら一緒にトイレから出ると、またしても更衣室の中の皆さんにガン見された。
軽くシャワーを浴びてプールサイドに降りると、カウチソファが所狭しと並べられて、なんか豪華な雰囲気。
僕たちはプールサイドから少し奥まった、椰子の木で日陰になるカウチベッドを確保した。
「 さあ、行くぞ〜〜! 」
波のプール、流れるプール……
水の中で、付かず離れずいつも身体のどっかはふれあってる。男女のカップルのように抱き合うわけにはいかないけど、水の中ではからまる身体を気にすることはないものね!
遊んで、飲んで、食べて、
昼前には普段は高いところが苦手な僕もすっかりウォータースライダー系に行く気満々になっていた。
「 ここはさ、サーフィンするように寝そべってすべり降りてくるのがあるんだ 」
と楽しそうに説明する安藤くんと一緒にライディングの列に並ぶ。前の女の子のビキニからのぞくお尻の谷間が気になったけど、とうの安藤くんは僕の方だけ見てるから、目が奪われるそんな心配はないかな!
それよりも、背後の男の人2人が、やけに僕の背中に距離が近いのが気になるんだけど。動くたびに僕の背中と後ろの男の人の胸が触れそうになる。
僕たちの番になった。
スカイブルーのみじかいボードに腹ばいになり、恐る恐る水の中に入る。
そこからはもう、
ぎゃーというしかない、すごい速さで滑り台を下り、滝壺のような穴の中に潜るまで何秒かかった?
浅瀬にたどり着いてボードを持って立ち上がった時に、なんか違和感……
布が足りない気がする、え?え?
水着がない‼︎
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