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第108話
プールでデートは危険です
その18
なんとか2人で、怪しいタガログ語駆使して? 時間稼ぎしたけど、結局やってきた警察官の目の前で3人遁走、それであの通りでの大騒ぎになったということらしい。
よくよく女性二人の話を聞くと
すごい幸運な偶然だったんだ。
助けられた!ありがとう〜
「 本当に僕は運が良かったんですね 」
「 うーん、運が良かったっていうのは、 少し違う気がするよ~三枝くん 」
と輝さんが言う。
「 良かったのかな? 三枝くんのことは結局警察には伝わってないけど 」
という彼女たちの心配に、
僕はしっかりと応えた。
「 僕のことはもうあれで構いません。もっと悪いことで彼等が捕まったのならそれでいいと思うので」
輝さんがまたもやのんびりと
「 男でも痴漢されたらそれはそれで大問題だと思うけどな~ 」
え?痴漢されたのなんで知ってるの?
びっくりした僕に
「 いやいや、彼女らが興奮、いや、心配してたからね~ 」
となんとも曖昧にごまかされた。
その言葉を僕の横で聞いていた安藤くん。
「 そして?輝さんは? 今日なんでいたんですか?ここに 」という安藤くんの質問に、
「 あー俺? 彼女達は俺の事務所の従業員なんだけど、今回は慰安旅行でさ、そうそうプールで慰安よ! 」
何か妙な間が空いた。
偶然?すごい偶然……慰安旅行のお休みとプールが一緒なんて……
「 ホント!偶然よ、偶然‼︎ 」
「 とにかく、役に立って良かった 」
と女性陣2人は大満足の様子。
その話の間。眉にしわ寄せていた安藤くんが
「 輝さん、俺に株主と優待の、この予定 知っ 」
「 しっ! 」
何?今の しっ!て、
「 はーうまかったな〜〜
ふー俺たちは電車あるから帰るけど、これさ、安藤くんにプレゼント! 」
「 えー?なんですか?輝さん。これ⁉︎ 」
「 内緒内緒 〜〜」
僕の方を見ながらムフフと含み笑い、安藤くんにスマフォの画面を見せて耳打ちする輝さん。悪魔みたい…。
何やら、納得して頷く安藤くん、僕は疑問だらけ、でも、でも、安藤くんについて行くしかないから……
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