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第109話

プールでデートは危険です その19 店から出て駅に向かう3人、助けてもらった二人の女性。みどりさんとあきらさんにお礼を言って別れた。 そして、僕らは何処に行くんだろう。 「 三枝、こっち 」 と江ノ島の弁天橋の方に進む。 ライティングされた灯台が眺められる橋には家族づれ、カップルが楽しそうにたむろっている。 安藤くんに腕を引かれて江ノ島神社の階段を登り、江ノ島の奥へ入って行く。 人の流れはまだまだ続いていて、みんなそれぞれ楽しそう。 そして僕らはどこに行くんだろう? でも安藤くんは何か考えてるのか黙っているし、僕も聞かない。しっかりと繋がれた手、まばらな外灯と足元の灯ろう以外は灯りのない石畳を上る。 島の1番高いところは植物園の広場。 そこを通り抜けて二つ山の方に段を降りてしばらく歩くと、ふいに人通りが途絶えた。 「 ここかなぁ 」 と安藤くんが僕を連れて探るように脇の小道に入って行く。 両脇を建物の壁に挟まれた小道の先には、古びた木造の家が見えた。 「 あっ、ここだ 」 「 え?ここ? 」 「 そう 」 少し後ろにひいた僕の手をしっかりと握りなおして、軒の門灯がほんのりと灯る木戸を開け 「 すみませーん 」 と玄関らしきところから奥に声をかける安藤くん。 ここはどこ? わずかにこぼれる廊下の先の灯りの中、暗い静かな空間に波の音が聞こえて潮の香りが僕たちのまわりをかこんだ。 「 はいはい! 」 奥から出てきたのは、小さなおじいさんだった。本当に小さい。 あっ、腰が曲がってるんだ。 「 えっと、あんたらが橋下さんのご紹介の? 」 「 はい、安藤です 」 「 あーさっきもう一回橋下さんからよろしくねって電話があったよ。 いらっしゃいませ~ お泊まりですね 」 え?泊まり? 「 はい、お世話になります 」 「 はいはい、お世話しますよ〜 」 なんか微妙なおじいさんの返事に安藤くんの顔を思わず見た。 安藤くんは、僕に 「 大丈夫だから 」 と言いながら靴を脱ぎ上がりがまちを上がる。 疑問だらけの僕も後にしたがった。 あっ‼︎大切なこと忘れてた…… 明日のパンツがない!

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