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第110話

プールでデートは危険です その20 「 安藤くん、あの 」 「 うん?なに? 」 「 ぼ、僕、パンツがない。明日のパンツがないんだけど 」 「 パンツ? 」 「 パンツならワシのを貸そう 」 「 え?おじいさんの?え?! 」 「 色々コレクションしとる、あとで部屋に持っていくから 」 とズンズン廊下の奥へと案内していくおじいさん。 安藤くんと顔を見合わせて、仕方ないなと後をついていく。 奥の階段を数段降りると、 「 ここの右手が風呂になっとる 」 「 男湯女湯わけとらんから、この札をな、入る時にはひっくり返して入ること 」 「 はい 」 大きな札をひっくり返して見せたら 「 まぁ、こんばんは泊まるのはあんたらだけだ」 と又スタコラと先へ行く。 突き当たりに赤色の格子の戸。 「 ここじゃ 」 と言いながらカラカラと格子の戸をひいて中に入る。 中にはもう一枚板戸があった。 更に中に入ったおじいさんが電気をつけて回ると、 部屋の様子が見えてくる。 二方が海に突き出したように作られた部屋。 「 すごいよ、目の前なにもない、海だけ 」 「 ほんとだ 」 「 この建物は崖に沿って建てられとるから、部屋から全部海が見えるんじゃ 」 と自慢げなおじいさん。 「 この部屋にも一応洗い場が付いとるが、腰湯で汚れた場所を洗うためだけだから、あんまり大きくはない、じゃがトイレもついとるから、安心してな 」 腰湯?汚れた所?安心してな? 意味がわからないんですが…… 「 さて、一応、橋下さんに頼まれとるから、丁寧には教えちゃるが随分久しぶりだからな、うまくでききんかもしれん。が、そこんとこは勘弁してな 」 なにを教えてもらうんですか? - [ ]

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