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第111話
プールでデートは危険です
その21 手ほどき イロハのい
「 男の方はさっきの大風呂に入ってきなさい。下の準備はワシが教えとくから 」
下の準備?ってなに?
不安そうな僕の顔を見て安藤くんも、
「 あのすみません。よく意味がわからないんですが、
何かを教えていただくんですか? 」
「 橋下さんから聞いとらんのか?
閨(ねや)の作法を教えてくれと言われとるんじゃが 」
「 ねや?ねやって? 」
「 ふーん、そっから教えんといかんのかそうかそうか。まぁ、二人ともそこにすわんなさい 」
ちんまりと僕らの前に姿勢よく座って語り出すおじいさん。
「 この宿はな、昔から男と男がねやごとをするところなんじゃ、わかるか? 」
「 ねやごとって? 」
「 交合、まぐあい、セックスじゃ 」
呆然唖然、頭が真っ白になった僕に比べて安藤くんはその後の話も熱心に聞き入っている。途中、質問なんかしちゃう。
「 えっと、僕はよくおちんちんの皮を引っ張って洗えばいいんですね 」
「 そうじゃよ、その子の尻穴を綺麗にするのを教えるから、
ちょっとこっちにきなさい 」
カチカチの僕は安藤くんに抱かれるように、部屋の中の腰湯が使えるという洗い場まで連行された。
「 今はシャワーとかウォシュレットとか便利なものがあるじゃろ、どっちでも好きな方で良いんじゃがどっちがええか? 」
ぼ、ぼくに聞いてるの?
「 じゃ、シャワーで 」
と安藤くんが代わりに応える。
「 そうさな、相手も手伝いやすいしの、その間に気分ものるかの、
ちょっと脱いで 」
「 え?脱いで……誰がですか? 」
「 あんたじゃ、あんたの尻穴洗うのにあんたしかおらん 」
「 僕の、尻穴を、洗う? 」
産まれてから今までで最大のハテナ?が頭の中を連呼した。
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