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第122話
プールでデートは危険ですその31
イロハのを
翌朝、波の音で目がさめる。
朝陽が海から顔を出して、オレンジのたすきが波間に延びているような、日の出。
思わず、隣でまだ寝ている安藤くんを
起こした。
「 安藤くん、起きて、すごいよ、日の出 」
何回か揺さぶると薄眼を開けた安藤くんは、布団の上に座っている僕の腕を引っ張って、寝ている胸の上で抱きしめた。
「 おはよ、杏果 」
「 あっ、おはよう
ね、日の出、綺麗だよ 」
うん、と頷きながら僕をなかなか離さない安藤くん
眩しそうに窓の方を見ながら、
「 日の出なら確か稚児ケ淵って、山の向こう側に降りると岩場があるから、そこから見るとイイって聞いたな 」
と言いながら、僕はさらに固く抱きしめられた。
安藤くんの心臓の鼓動と僕の鼓動と、
ぴったしあった頃……
「 杏果岩場まで行って洞窟に入ってこよう 」
「 え?洞窟かあるの? 」
「 え?知らないの? 」
僕のもの知らずがまたばれた。
それなら、着替えて行ってみよう、と。
安藤くんに昨夜選んでもらったブリーフはローライズのお尻の部分がメッシュになってる。
これでもおとなしい方だったんだけど、明るい朝日のしたで履くと、更に恥ずかしい。
2人で着替え終わった頃、部屋の外の格子がスルスルと開き、
すこし高めのオトコの声がした。
「 おはようございます〜
起きてます?
開けますね 」
入ってきたのは、絶世の美少年だった……
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