121 / 325

第122話

プールでデートは危険ですその31 イロハのを 翌朝、波の音で目がさめる。 朝陽が海から顔を出して、オレンジのたすきが波間に延びているような、日の出。 思わず、隣でまだ寝ている安藤くんを 起こした。 「 安藤くん、起きて、すごいよ、日の出 」 何回か揺さぶると薄眼を開けた安藤くんは、布団の上に座っている僕の腕を引っ張って、寝ている胸の上で抱きしめた。 「 おはよ、杏果 」 「 あっ、おはよう ね、日の出、綺麗だよ 」 うん、と頷きながら僕をなかなか離さない安藤くん 眩しそうに窓の方を見ながら、 「 日の出なら確か稚児ケ淵って、山の向こう側に降りると岩場があるから、そこから見るとイイって聞いたな 」 と言いながら、僕はさらに固く抱きしめられた。 安藤くんの心臓の鼓動と僕の鼓動と、 ぴったしあった頃…… 「 杏果岩場まで行って洞窟に入ってこよう 」 「 え?洞窟かあるの? 」 「 え?知らないの? 」 僕のもの知らずがまたばれた。 それなら、着替えて行ってみよう、と。 安藤くんに昨夜選んでもらったブリーフはローライズのお尻の部分がメッシュになってる。 これでもおとなしい方だったんだけど、明るい朝日のしたで履くと、更に恥ずかしい。 2人で着替え終わった頃、部屋の外の格子がスルスルと開き、 すこし高めのオトコの声がした。 「 おはようございます〜 起きてます? 開けますね 」 入ってきたのは、絶世の美少年だった……

ともだちにシェアしよう!