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第129話
仲良く? 君と 俺で?プールその後
その2
流星がバッグから取り出した水着は三種類、普通の競泳用のパンツと、
「 なんでワンピースのスクール水着があるの? 」
「 だってお前二役だもの 」
「 え?僕これ着て撮るの?それでもう一つは? 」
「 この水着 」
ほらっと見せられて、
驚きのあまり声も出ない僕に変わって
小野さんが
「 しえーこれ着せるの?すげえな 」
と言われた水着は
フロントの部分が三角にとんがった形のヒモTバックビキニ。
それも薄い肌色。
「 これ、これ着るの⁉︎ 」
「 そうだよ、これなら絡みの時に裸に見えるし、凄くいいでしょう 」
「 よくない!よくない!よくない! 」
小野さんが笑いながら、
「 確かにこれなら上手く撮れば履いてないよう見えるな。
杏果良かったじゃない。
いつものレースやフリルよりは、エッチじゃないよ。流星、これ陽子さんから? 」
「 そうだし 」
「 じゃあ、時間もないし、着替えて撮るよ 」
小野さんの一言で、履くことが決まってしまった。
最初はスクール水着、濃紺で少しきつめだけどなんとか着れた。二役のうち一人は黒髪の子だというので黒髪のウイッグを被った。なんで黒髪?
「 すげえ、ホントに着れたんだな 」
と流星が感心したように僕の姿を眺めてる。
姉貴の部屋は相変わらずシンプルでホテルの一室のような部屋。
「 さて、アングルとしては最初は立ったままその窓のそばで?
レースのカーテンをひらひらさせながら、イチャイチャしてるところを撮るんだっけ? 」
と小野さんが三脚にライトとビデオカメラを用意する
「 よしオッケ〜 」
という声と共に競泳水着を履いて流星が近づいてきた。
「水着でプールじゃなくて、こんなんでストーリーになるの? 」
「 まぁ、ほとんどストーリーはないね。5分くらいの絡みを3本取って、15分くらいのデモにする。
嶺さんに会う口実になるから、
とにかく杏果は俺のすることについてきて」
「 あんまり、酷いことはしないでよ 」
これも泉くんに預かりものを渡すためとため息つきながら、カーテンの側に2人で並んだ。流星が、僕の身体に腕を回す。
「 正面から見つめあってそこからスタート 」
と小野さんの声がかかった。
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