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第141話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その3
安藤くんにクスクス笑われながら
「 いい音だな、なんで昼飯食べらないほど忙しかったの?家にいたんだろ? 」
と聞かれ、まさか撮影の事を言うわけにはいかない。
「 うん、忙しいというか、寝てたんだ。今、お茶入れるね!安藤くんはコーヒーの方が良い? 」
パンケーキサンドを食べるならと、お茶の用意をしにリビングの扉を開ける僕を安藤くんは後ろから抱きしめた。
「 お茶より杏果が欲しい……
あれ使ってる? 」
「 あれ?ああ、あれ 」
あれって、サンドラさんから貰った例のアレね。
「 う、うん。毎晩一応使ってる 」
「 そっか、今日は俺がやってみて良い? 」
恥ずかしいけど頷いた。恋人だもの。いいよね。
頷いた僕に安心したのか安藤くんは抱きしめていた腕を離すと
「ごめんお腹空いてるんだったよね、パンケーキサンド食べて 」
と僕に微笑んだ。
安藤くと僕の分と2人分の紅茶をいれパンケーキサンドをお皿に並べてダイニングキッチンの食卓に置いた。
サンドの1つはチーズクリームと果物、キュウイとイチゴとバナナが入ってる。もう一つは生ハム、トマトとアボカドのサンド。
それぞれに付いてるソースは
フルーツには蜂蜜のソース。
生ハムにはマスタードの効いたマヨネーズソース。
「美味しい!安藤くんも、食べた?」
「 ああ、俺作ったんだよ 」
「 え?これ安藤くんが? 」
「 今日は1人キッチンが休みだったから急きょ俺がヘルプに入ったの 」
「 すごい 」
「 俺んちも食べ物屋だろ?時々は厨房も手伝わされてるだろって、結構使われる 」
そうか、安藤君の家は渋谷でラーメン屋さんやってるって言ってたっけ。
2つのパンケーキサンドをペロリと完食した僕の口元を見て
クリームがついてるって、
舌で僕の唇をペロッと舐めた安藤くん。
「 甘いな、もう少し甘さ控えめにしとく 」
と言いながら次は肩を抱き寄せて深くキスをした。
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