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第149話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その11
うつ伏せになった僕の上に身体を預けて肩からふくらはぎまでしっかり重なる。安藤君の熱がダイレクトに背中や尻たぶから伝わってくる。少し硬めの陰毛はちょうど僕の尻たぶの下あたりでザワザワと太ももの間を緩く刺激する。小刻みにお尻を上下させてその余韻を楽しんでいると、
「 杏果、それでなんで毛を剃ってるの? 」
「 うん?毛? 」
「 毛って? 」
安藤君は少し身体を浮かし僕の尻たぶの合間から指を入れると、
「 ここだよ、ここの毛
なんでこんなに綺麗にしてる? 」
と会陰をくすぐるように指を動かした。
「 そ、それは、ね、 」
「 ほんとうのことを、俺に教えて 」
そう囁きながら僕のうなじを唇で啄む。
会陰を撫で回しながら、うなじに吸われると、身体を全てひとに差し出した、征服された喜びが背骨に溜まるような気がしてきた。
もう勇気を出して話すしかないかな
そう決心した僕は
「 安藤君、僕話すから聞いて 」
と身体を起こし、安藤君の眼の前に全裸のまま正座した。
僕の容姿がいたく姉の琴線に触れたらしく、空想力がわくと中学の頃からマネキンにされていたこと。家事全般一切、小学生の頃から長けてた姉には絶対逆らう事は出来なかったこと。
高校に入る頃は背も伸びて益々顔が小さくて痩せて手足の長い子になっていったから、女装させられる事が多くなったこと。姉貴の主催するショーやお披露目の時、仮縫いや試着の際にお化粧されてかつらを被って女装していること。水着もあるからそのための剃毛であったこと。
そう一番に言わなきゃならないのは、姉貴は衣服デザイナーだということ。
話を聞いていた安藤君は
「 あの流星もその仲間?あの助手の人も? 」
「そう。流星はもう1人の弟だし、小野さんは後輩で姉貴の仲間 」
嫌われるんじゃないかと緊張して正座のまま膝に置いた手が震える。安藤君はふっとため息をつくと泣きそうな僕の身体を抱き寄せて、
「 そっか、それでなにをやろうとしてるの?あの人達と 」
エ?撮影のことも言わなきゃならない?
真っ青になった僕。
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