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第150話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その12
あの撮影のことをどういう風に話しても安藤君には僕がはしたない事をしていると思われる。
泉くんの事を
あの俳優さんのことを話してもいいかどうかもわからない。
困っておし黙ってしまった僕の頭をポンポンと軽く叩いて、
「 杏果、俺のことを信じてる? 」
僕の頭を安藤君の胸に押しつけたまま、僕は頷く。
「 わかる?俺の心臓、ドキドキしてる 」
安藤君の鼓動はドクンドクンと僕の鼓膜に伝わってくる。
もう一回深く頷いた。
「 杏果が俺を信じてくれるのかどうか、俺、ドキドキしてる……こんな気持ちで杏果の中に入りたくない。いい?これから俺のいうこと誤解しないで聞いてほしい 」
僕は安藤君の顔を見上げた。
「 俺は今まで同性と付き合ったことはないし、友情以外に好きになったこともない。エッチなことも女の子としかしたことはない 」
女の子とエッチ……してるよね、安藤君ならたくさん、きっと。
僕の身体は冷たくなっていく。
「 最初はお前に興味がなんであるのか、
男をこんなに可愛いって、俺も変態の仲間入りかなんて、真剣に思ってた 」
へ、変態……その言葉に涙がじわっと溢れる。
「 でも、どんどん杏果に惹かれていくのを止めることなんかできなかった。
会えば会うほど好きになった。杏果以外のことは考えられなくなった。好きなんだ、本当に……あんなに身体を繋がるのが大変だとは思ったなかったけど、自分でも信じられないほど大切にしたい、杏果のこと」
僕の涙は暖かくなってきた。嬉しいと思う気持ちが、僕に勇気を与えたんだと思う。
僕は安藤君に強く縋り付きながら、合同撮影会のことを少しずつ話した。
僕のことを真剣に大切にしてくれている安藤君。生まれたままの姿でしっかりと抱き合う安藤君に隠し事はしたくないと、思ったから。
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