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第151話

いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その13 僕は安藤君に強く縋り付きながら、合同撮影会のことを少しずつ話した。 でも、どうしても言えなかった。 撮影中に堂々と流星の舌が入ってきて、僕は舌を絡められ口中をなぶられたことを。 男だから撮影のためでもあそこを刺激されたら、興奮するのも射精しちゃうのも仕方がないと思うけど、 口づけは別だよね……それもディープなのをやらせてしまったのだから。 ディープキス、口の中全部侵されて舌の裏をなぞられ絡め合わせた、それ。 当然のように下腹部に溜まった熱。 恋人からのキスじゃなくても勃起した僕の下半身…… これだけは安藤君に知られたくない。 僕の話を聞いた後、安藤君はその嶺さんに会うときに自分も同行すると言い出した。 まずい、非常にまずい、小野さんがどこまで編集してるかわからないけど、 映像を安藤君に見られるのは相当まずい。 「 安藤君、でもね、安藤君は合同撮影会に参加してもいないし、泉君にも会ってないし 」 「 だめだ、一緒に行く。恋人がそんな危ないところに行くのに、一緒に行くのは当たり前でしょ 」 「 嶺さんのところはそんな危ないところじゃない、ないと、思うよ 」 嶺さんは僕としては姉貴の知り合いだし、そんなに危ない人とは思えないけど。 安藤君にしてみれば、 AVの制作会社、モデルとコンパニオンなんかの調達もする便利屋、そして自称プロダクションだという山尾 嶺さんが限りなく怪しく見えるのかな。 ダメ!絶対に行くぞ、という気合いの入った安藤君を前に、僕は仕方なく同行を承諾するのだった。 僕たち、お互いまっ裸の身体を抱きしめ合い、話の合間はキッスをかわしながら、なんの話をしてるのやら……

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