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第152話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その14
流星に撮影後言われた
『 杏果も、いいな。明日の夜、7時に広尾の、駅な 、嶺さん忙しい人だから、明日時間が取れるって幸運だから。それに少し聞き出したら泉も用事があって夜来るらしいから 』
ということで、安藤君と2人広尾の駅に行くと、徹夜でデータの編集かけたらしい 眠そうな様子の小野さんと、僕らの方を見て眼を釣り上げてる流星がいた。
「 なんでだよ! 」
「 付き添い 」
「 は? 」
女装コスプレ、バラしたの?という流星の驚いた顔に
僕は頷く。
「 だからってなんで…… 場違いのおまえが付いてくんだよ」
と仲間外れ感を醸し出した流星に、
「 恋人を危ない目に合わせないためだよ 」
と安藤君が当然だろっという顔つきで、応戦する。
その子どもの喧嘩みたいな単純なやりとりに、
小野さんが歯を食いしばって吹き出すのを懸命にこらえてる。
「 一緒に行けるわけないだろ!お前、嶺さんのこと知らないだろ!嶺さんにだってなんて言うんだよ 」
と流星が気色ばむと、
小野さんが
「 べつにいいんじゃない?
この彼なら目の保養になるし、案外、嶺さん気に入ってスカウトするかもよ 」
え?それはそれで困るんだけど……
「 とにかく細かいことには口は出さなさないから同行する 」
硬い表情で安藤君が宣言をする。
流星はまだブツブツ言っていたけど、
忙しいのに予定を空けてくれた嶺さんとの約束の時間も迫っているし、と小野さんにたしなめられる。
というわけで、4人広尾駅を出て、麻布10番の方に向かい、通り沿いの6階建てのビルの前に到着する。
その3.4.5階に嶺さんの事務所が入っているらしい。
エレベーターホールまで行って、一応流星が嶺さんに連絡を取ると、5階まで上がってくるように言われた。
降りて来たエレベーターから前を通り過ぎた人を見て小野さんが、
「 うわ!AVでいま売り出し中の郷太じゃん 」
「 誰?それ? 」
後の3人のハモリに、
小野さんはしまったと言うように自分の口を押さえた。
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