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第154話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その16
監督たち?って?と疑問が渦巻く僕の胸中など知らぬげに、
「 はい、構いません。それで、泉君も来るんですよね 」
と流星が勝手に答えてる。
「 あ、そうそう、彼のデビューの企画もの。シナリオできてきてるからその下話しとこうと思って ね」
泉君に会えるんだ……
ホッとした僕の顔を覗き込むようにして安藤君もホッとしたように、
「 良かったな、会えたら事情を話して渡すもの渡してさっさと帰ろうな 」
とそっと指を握ってくれた。
「 えーと、杏果ちゃんの横の君は?どなたかな? 」
嶺さんに声をかけられた。
安藤君はソファから立ち上がって
「 失礼しました、僕は三枝君の同級生の安藤おうこです。今日は三枝君の付き添いで来ました 」
「 付き添い?杏果ちゃんって、どっかのプロダクションに所属してる?
それならウチで勝手に見るとまずいんだけどな 」
と急に顔つきがきつくなる嶺さん。
「 いえいえ、ただの学部の友達ですよ」
小野さんが助け舟を出してくれる。
「そうなの……
君身長いくつかな? 」
「 僕ですか?183ですけど」
「 いいね〜〜顔つきもイイし、身体もイイかも!
八坂さんとこで
モデル探してたよね、例の下着の、外で撮影するのを 」
と奥のデスクの女性に声をかける。
え?下着⁈
早口の嶺さんのテンポでどんどん変な方向に話が流されてる気がするけど
そっと横の流星に、
「 大丈夫なの?デモ見せるだけって……口実だよね、泉君に会うための 」
「 なるようにしかならないさ 」
そんな無責任な!
小野さんに助けてと口パクで伝えるとニッコリ笑って、
「 嶺さん、泉君はいつ頃来るんですか?先日の合同撮影会のポートレートあるんです。渡したいし」
「 え?俺、それ見て良い? 」
「大丈夫だと思いますよ。響子さん嶺さんの所に行くなら泉君の分は良いよって許可してたから 」
話しはそれたか?
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