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第160話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その21
困ったなとため息をつく嶺さん。
「 あの撮影会は秘密がよく守られてるから出たいと言った君の要望叶えただけなんだよ 」
「 僕の要望?有名なることだよ 」
「 有名?そんな簡単にははなれないぞ、おまけに行きかたによっては途中弄られて潰されて終わる
特に君は…… 」
そこで話が止まった。今がチャンスだ。
「 え、と、
泉くんに、嶺さんいいですか?
泉くんに僕伝えたいことがあるんですけど 」
「 なにかな?さっきのビデオの話なら却下、泉くんは出せないよ 」
「 あ、あの違います、だから、 」
言い淀む僕に流星が言葉をつないでくれる。
「 嶺さん、三枝が先日の撮影会である人から泉くんに渡して欲しいものがあるって、伝言も預かってるんですよ 」
ハッとした泉くんが、僕を睨みつけた。
「 僕には関係ない! 」
そういうと、驚く僕たちを置いて部屋を出てってしまった。
「 あ!ちょっとまって! 」
と止める僕の声も聞かずに。
残された僕たちの間に嶺さん静かな声が響く。
「 どういうことだい?これは、
泉くんに会いたいっていうのはわかってたけど、何の魂胆があったの? 」
嶺さんの静かに怒ってる口調が怖い。
「 彼はね、ちょっとした預かりもので、俺も難しい立場なんだよ 」
すっと息を飲んで流星かその言葉を遮る。
「 すみません、有名な人の関係ですよね 」
黙った嶺さん。
流星と僕は顔を見合わせる。話した方がいいか……
一回お互い頷くと僕から先日の撮影会の話を嶺さんに伝えた。
話していくうちに嶺さんの顔が険しくなってきた。
「 あの人自分で撮影会に行ったのか?どうやって入り込んだの、確か誰でも入れたんじゃなかったよね 」
誰にもその答えは出なかった。
あっと小野さんの小さい舌打ち。
「 あのカメラマン、元大手にいた人だよな、彼が入れたのかもしれない、顔見知りで頼まれた、とか 、でも泉くんがあの撮影会に出るのは誰から聞いたんだろう? 」
「 まぁそれはおいおいわかるだろうから、それで?預かったものは何?」
「 その前に嶺さんさんは知ってるんですか?泉くんと加太タケルの関係」
「 君たちはどこまで知ってるんだ? 」
質問に質問で返される。
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