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第167話
いよいよ、できたデモ映像を持っていざ行かん その27
彼が有名になりたいっていうのは、単純にそう思ってるわけじゃない、なんかワケありだよな 、という言葉に、苦虫を噛み潰したよう表情になった真山さん。
「 余計なところで勘がいいんだから 」
「 まぁな、ダンサー達と仲良くしてるのは伊達じゃないさ、俺だって頼まれたことの裏くらいは取るよ 」
自慢げな嶺さんに先ほどのダンサーのお尻の谷間に万札を押し込んでる情景を思い出した僕は1人赤面してしまった。
「 預かったものはなんですか? 」
唐突に僕に声がかかる。
え?
「 俳優の加太タケルから預かったものです 」
あっ、
バッグの中からそれを取り出して前の机に置いた。
「 封筒?これだけですか? 」
「 これだけです、それと、伝言と 」
ふーんと封筒を見つめる真山さん。
ちょっと待っててと、部屋を出て行った。
どうなるかと思ったけど、嶺さんのお陰、嶺さんに
「 ありがとうございます 」
と言うと、
「 仕方がないさ、あの子は腫れ物かも知れない……預かった手前俺も知らんぷりはできない 」
と、先ほどとはうって変わった疲れた顔をしてソファに座った。
「 今のところ嶺さんが一歩リードですね 」
と小野さんが声をかけると、
「 バカ、真山がなんのために先に自分の素性明らかにすると思ってる?
あいつは交渉者としては一流なんだよ、あーあ、これで、おれ何をまた要求されるんだろ 」
「 それって僕らまで影響しますよね 」
そう言った流星に
「 当たり前だろ、こき使ってやる!
何本取るかな、AV 」
と嶺さんがまた恐ろしい発言をした。
「 真山はね、街ん中で立ち往生してる子を捕まえてくるのが趣味みたいなもんでさ、特にいわくありげな子を見つけるのが上手い。でも、アレは厄介だろうな、自分と…… 」
アレって、泉君が?自分と?
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