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第185話
惑う こころ 14
ウキウキしながら電車に乗って待ち合わせ場所に急ぐ。
荻窪駅のコンビニの前、暑い中涼やかな顔をして周りの視線を一気に集めているサンドラさんが待っていた。
「 お待たせしました! 」
というと、僕に抱きついて来る。
後ろや横で、きやーっという声が聞こえた。
「 サ、サンドラさん 」
「 うわぁ、杏果萌える〜〜 」
白のヘンリーネック、袖はうんと自分で短くしたカットソー。
上腕にオレンジ系のビーズの入ったハンドメイドのミサンガを、巻いて、
水玉の膝上のハーフパンツ。
足には薄いブルーのエスパドーリユ
サンドラさんには気に入ってもらえたみたいだ。
「 サンドラさん、浴衣すごく似合いますね 」
「 サンドラ⁇ サンちゃんって呼んで!
お褒めいただきありがとね。
おなか、すいた、行こう行こう」
僕の腕をガシッと掴むとどっちと訪ねてくる。あっちと言うとスキップをするように歩きだす。
「バック ドア〜あれ⁇ 」
頷くと、扉の前で柏手を打ってから元気よく、
「 こんにちは〜〜 」
と言いながら引戸を開ける。
中でカウンターにいたえーすけが驚いた顔をした。一緒に入った僕に一瞬え?という顔をしながらも、
ランチにはまだ少し早い時間で比較的空いてる店内に案内してくれる。耳元で
「 すっごい、知り合いだね 」
とか言ってたけど。
7種類ほどあるパンケーキのアラカルトに狂喜しながらも無事に選び終わったサンドラさんは、僕のお尻を指差すと
「 うまくいってる? 」
と聞いてきた。
なんのことかと一瞬思ったけど
あー!
と気がついた僕。安藤くんと会わなくなってから挿れるトレーニングをしてないのを思い出した。
俯いて首を横に振ると、
「 ふーん、続けないと、辛いよ 」
黙ったままで、縦に頷いた僕の顔見て、全然関係ない話を始めてくれる。
気を遣わせちゃったな……
フンワリ膨らんだ2種類のパンケーキを分け合いながら、話題の豊富なサンドラさんの話 を聞いてると、今日までのちょっと辛い気持ちも薄らいでいく。
デザートを選んで飲み物のお代わりをして、すっかりリラックスした僕らのテーブルにえーすけが寄ってきた。
「 ちょっとこれを見てもらえます? 」
とスマフォを取り出して、その画面を僕らに見せる。
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