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第186話
惑う こころ 15
超長く続くコメントは
叫び声と、嬌声と
たまに雄叫びも、
そして場所を尋ねるコメントと答えるコメントが続く。
バック ドア
荻窪
の固有名詞が並んで、
「 なに?これ? 」
と僕が聞くと、
「 萌えるCPを探せって 掲示板でしょ?」
とサンドラさんが言うと、
えーすけが
「 そうそう、○インの 」
「 え?なにそれ 」
「 さっきコンビニ前で写真撮られてたからね 」
「 そっから追跡したんですね 。
さっきから、やけに普段よりやけにお客さんが入るなと思ったら、これでしたよ 」
微笑みながらえーすけが周りを見回すと、サンドラさんと僕をガン見するお客さんでテーブルは満席になっていた。
「 まぁ、こんなに綺麗な2人じゃ、追っかけられても仕方がないな 」
と言ったサンドラさんを、呆れたような、珍獣を見るような目でえーすけは見ていた。
ランチにこんなに混んだのは初めてといって店からお礼だという、アイリッシュラテを味わっていると、
すっかり午後も遅くなってしまった。
「 サンドラさんはこれから帰るの? 」
「 まだまだ話したいし、杏果のうちに泊めてよ〜〜 」
「 え?僕のうち? 」
咄嗟にアネキの顔が頭をよぎった。
「 うち、すごい人いるんだけど…… 」
「 だれ? 」
「 姉貴 」
「 へー杏果のお姉さんなら会ってみたい! 」
「 うちは関係がちょっと複雑で……」
とゴニョゴニョ言い訳していると
ラインがなった。
あ?泉くん?
[先方の都合で日時変更になりました。
今晩、7時に五反田の駅で]
「 え?今晩? 」
「 どうかしたの?今晩 」
「 ううん、明日の予定が変更になって、今晩になったなったみたい 」
「 そうなんだ〜残念 」
「 ごめんなさい、大事な用事なんで 」
「いいよ、いいよ、気にしないで。
でも少し、あっちの具合みてあげようかと思ってたから、ホント残念!」
そう言いながら僕のお尻を揉むので、なんで僕らが知り合ったのか思い出して真っ赤になってしまった。
そんな僕と笑いながら駅で別れたサンドラさん、会えて本当に楽しかった。
5時か、少しどっかで時間を潰してから待ち合わせ場所に行こう。
僕はその時すっかり安藤くんたちからの忠告は忘れていた。
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