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第189話

惑う こころ 18 「 エ、エス、エム? 」 「 もうぴったりだよあんた、写真見た時にも、これならいけるって思ったけど、実物は勃っちまうほどいいなぁ 」 奥からそう言いながら男がもう1人出てきた。 横にいた男が僕からスマフォを取り上げる。 「 これ、しばらく預かっとく、濡れたりして壊れるといけないからね 」 なんで気がつかなかったんだろう、もっと前に安藤くんに予定が変更になった事を連絡しておけば良かった。 そう思った時にはもう遅かった。 でも必死で、 「 泉くんに連絡させて!おかしいよ、こんな約束じゃない、立ち会うだけだって 」 「 いや〜泉、タチが悪いの知らなかった?あいつの約束なんて守られることなんかあるわけないよ 」 「 でも、でもなんかの間違いだ! 」 「 うーん、仕方ないな暴れられても面倒だから、ちょっと待ってな、泉に連絡するから 」 スマフォを操作して、僕に渡す。 ラインの画面が出ていて、 最後の文字が読めた。 [うんといじめてやってよ、本番やっちゃってもいいから ] 愕然としたけど、 [泉くん、これ、嘘だよね、本気じゃないでしょ?] と打ちこむと [誰?あーあんたか、 悪いけど、そいつらの言う通りにしてよ、僕そいつらに借金あって、あんたの動画でチャラにしてって取引だからさ ] [ ダメだよ、僕できない ] [ できなくてもやってくれるよ、じゃあねー ] もういいだろう スマフォは取り上げられた。 「さてと、どうすっかな、 台本なんてものはあってもなくてもやる事は決まってんだけど あんた名前は? 」 言うもんかと口を結ぶ。 バッグを探られてるのが見える。財布の中には学生証が入ってる、見られればわかるけど自分からは絶対言わない。 財布を手に取り中身を見て、学生証をかざした男が、 「 三枝 杏果 女みたいな名前だな 身体もそうだし、あんた経験あるの?男の 」 黙ってる僕に、 ニヤッと笑い 「 沈黙は雄弁だな なんならこのショーの中身にアナル責めも入れるか、 マニアには堪んないな、美青年のアナル責め」 周りの空気が一気に変わった気がした。 それまでヘラヘラ笑ってた男たちが、急に黙り込み痛いほどの視線を感じる。

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