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第190話
惑う こころ19
助けて!誰か、本当に助けて
誰も知らないこの場所に助けなんかこないよね、僕は真っ暗な気持ちになった。
「 その奥にバスルームがあるから、裸になりな、ここで、準備がいるから 」
「 え? 」
「 一応、スカトロはしないからさ、浣腸するんだよ、知ってる?浣腸 」
震えだした僕に口調は少し柔らかになったけど言ってる事はとんでもない事。
「 あ?知ってんの?やったことあるって? 」
俯いた僕、
以前安藤くんとサンドラさんにあの旅館の水場でした事を思い出した。
泣いちゃダメだと思うのに溢れるものが止められない。
「 おい!カメラ回せ、もう撮れるぞ。泣いた顔バッチリ撮れよ 」
動けない、動かない僕に舌打ちをすると近づき顎を上げさせると、僕の顔にライトが当てられた。
泣くのは嫌だ、僕だって男だ。
こんなのに負けたくない!
裸なんて平気だ、呪文を唱えるように口に出す。
そう、ライトの前で同じことをしてきたんだから。
僕はおとがいにかかった男の指を振り払うと、一気に服を脱ぐ。
おお!とかいういつもと同じ声が聞こえてくる。ここはステージなんだ、衣が一枚少ないくらいなんだってんだ。
カメラが僕を追ってくる。一糸まとわぬ姿になると僕の身体は部屋の温度でじんわりと汗ばんできた。
「 お前、パイパンなのな 」
カメラはそこをズームしてるはず、僕は手を出して前にやってそこを隠すと
「 ショーで下着のモデルをする時に邪魔だから剃ってる 」
とはっきり告げた。なんかそんなことで、恥ずかしがったりしたらダメだと思ったんだ。やらされてるんじゃない、自分でやってるんだとこの時わかった。
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Jaz Night eve
という題で、
クリスマスイブまでの9日間
16日 18日 21日 イブの日の
4回。20代男性どうし恋のお話を
16日夜
エブリスタさんでアップいたしました。
ジャズのクリスマスナンバーと共に…ってw音声は乗せられないので、曲名でググってくださいませ。私にしては最後少々ひねるつもりです。
告知したTwitterの反応があまりに薄いので、少し落ち込んでおりますwww
よろしければ読んでくださいませ。
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