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第195話

惑う こころ 24 「 真山さん、説明してもらおうか。 私は今晩東京のホテルで泉と会う約束をしていた。それはあなたの方から連絡があったから知っていたことだよね。 どうして辻堂に移動するようになったんだ?それに三枝君だったかな、なんでこんなところで裸体になってるんだ? 」 「 それはわたしにも.…… 泉から詳しく事情は聞かないと 。 わたしが聞いていたのは、三枝さんがこちらで泉の紹介でビデオの撮影をするという話だけです、それが今日だったのはさっき知りましたが」 「 え?そんなの嘘です! 」 僕はどうしてそんな話になってるのか訳がわからず混乱した。 「 嘘ってどういうこと?三枝さんは了解してないということ? 」 加太さんが僕に尋ねると、泉君が割って入った。 「 三枝はこのビデオに出るんだよ、そう約束したんだから 」 「 え?してない! 」 「 したよ、責任取るって言ったじゃん。一緒に来て責任とる。 だから責任取ってもらうんだよ、僕の思う形で 」 冷たい顔で口の端だけ上げて微笑む泉君にゾッとした。 「 ちょっと待って、じゃあ三枝さんは了解してないのに泉が勝手に決めたってこと? 」 加太さんが怒ったように聞くと、 「 そうらしいですね、だからか…… 」 真山さんは言葉を続ける。 「 わたしがここに皆さんと一緒に来たのはある人から連絡があったからです。その人からうちで使うスタジオが辻堂にあるか?と言われ、泉がまずいことをしてるかもしれないと教えられました」 「 今晩泉と一緒に会うはずの三枝さんが辻堂に一人で行ったらしい、私は撮影の話しは聞いていましたけど、今日ならおかしいでしょ? 」 真山さんが話を続ける。 「 私がその人になぜスタジオがあるって聞いたのかと聞くと、知ってるカメラマンが泉に頼まれてSMビデオの撮影を今晩辻堂ですると言ってたんだと言うことでした。 スタジオを使用する話は私にも聞こえて来てなかった話で、コレはおかしいなと思ったから、ここまでご足労願ったんですよ」 ひと息ついて真山さんは続ける。 「 それにもう一つ、その人も連絡を受けたのが三枝さんの知りあいからで、五反田で人と会うはずなのに、湘南に電車で向かった、降りた駅は辻堂。男と一緒に駅から車でどこかへ行った。連絡も取れないしということだったんです」

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