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第205話

惑う こころ 34 「 そう言えばどうして僕の居場所がわかったの? 」と聞くと 「 杏果の様子が変だから安藤に連絡取ったのよ。とっ捕まえて喋らせようと思ってたら。 ほら、あのパンケーキ食べてる時に彼が言ってたsns。あれが杏果をハンドメイドのお店にいるってとこから品川駅から車に乗る所まで追っかけてたの。なんかおかしいと思って、あとは安藤と相談してこの人に連絡取ったわけ」 と嶺さんを指差した。 「 色々知り合いに聞きまわったら、今夜、真山さんの会社関係のカメラマンがえらい上物を撮影するっていう話が出てきたんで真山さんに連絡したのよ」 「 まったく、あんな追っかけ盗撮サイトみたいなのか役に立つなんて、あれがなかったらどこに行ったか皆目見当がつかなかったわよ 」 と憤慨しながら話すサンドラさん。 あったかいなサンドラさんは。 「 本当に杏果、ごめんな、怖い思いをさせて、俺がもっと早く泉から聞き出してたら 」 本当に辛そうに言う安藤くん。心配してくれたのがヒシヒシと伝わってきた。僕は首を横に振って安藤くんの手をそっと握りしめた。 送ってくれた坂本さんが車から降りた僕の手に連絡先の名刺を握らせたのはみんなには内緒。ごめんなさい安藤くん。名刺は財布に入れました。 坂本さんには助けられたから、お礼ぐらいは言わなきゃね。 話をしたいと言う安藤くんに僕は頷いてサンドラさんと嶺さんと渋谷の駅で別れた。 サンドラさんと嶺さんはすっかり意気投合してこの後エッチなお店に飲みに行くらしい。 「 ねぇエッチな店って、このあいだの真山さんのお店みたいなとこかな? 」 安藤くんと2人きりは久しぶり、なんとなく照れ臭くてそんな話を振ると、 「 あの2人で行くんだからもっと過激なところだろ 」 「 え?もっと過激? 」 想像もつかない僕は 「 安藤くんもそういうとこ行くの? 」 と聞くと、安藤くんは怒ったように、 「 俺は行かない、出前持って行ったことはある 」 そうかそう言えば安藤くんのところはラーメン屋さんだったって!僕はそこのお店でバイトするんだった。 「 僕、安藤くんのお店でバイトするんだ!僕も出前てそういうとこいくのかな? 」 「 絶対に杏果は出前には行かさない 」 と安藤くんに強く宣言された。 え?行ってみたいのに、残念…… 了

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