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第216話
閑話
小次郎のアイドルは、ニャンニャン
その12
団さんは信用しても良いんだろうか?
俳優のスキャンダルに繋がるこの話をジャーナリストだと名乗るこの人に話をしても?
「 喋ろうかどうしようかな迷ってるって顔だな 」
僕はしばらく考えてから返事をした。
「 はい、誰にでもしていい話ではないので 」
「 そうだろうな、王国もあの後の話は聞いても何も喋らないからな。
おおかた、泉とやらが誰かの隠し子だったとかそんなことだろうとは思ったが。
俺はジャーナリストだけど下ネタのゴシップは追うほうじゃない。あれから少し調べたけど、おおよそあの子の事はわかった。
俳優の加田タケルの息子だろ?
本人がそんなに隠してもいないから、調べたらすぐにわかったよ 」
そこまで知ってるなら話しても大丈夫かな。
「 真山さんのこと知ってるって言ってましたね 」
「 ああ、もう少し真山が若くて青い時にインタビューしたことがあって、それからの腐れ縁というか、あいつあんな世界へ入ったから、今では俺はあいつにうっとおしがられてるけどな 」
「 真山さんの方から連絡したりするんですか? 」
「 俺を利用したい時にはあるさ、あいつ頭が良いやつだから 」
そう言い薄く笑いながらコーヒーに口をつける団さん。
僕はあの後の顛末をあまり大げさに聞こえないように話し始めた。
団さんは首を少し傾けて口を挟むこともなくじっと黙って聞いてくれた。
僕の話をあらかた終えて、ホッと緩くなってしまったラテを飲むと、
「 ちょっと待ってて 」
と言って団さんは階下へ降りていった。
その姿を見ながら、こんな話で通じたのかな?とぼんやりと 思っていると、
目の前にコンっともう一つカップが置かれた。
「 冷めちゃっただろ? 」
新しいラテを買ってきてくれたんだ。
「 あ、ありがとうございます 」
「 ついで 」
と言いながら自分のカップもテーブルに置いた。
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