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第222話

閑話 小次郎のアイドルは、ニャンニャン その18 「 杏果ちゃん、本当にバイトしてるのね〜 ラーメン丼重くない? 」 「 そうそう、それ心配。腕力ないもんね!あれ?いいじゃないそのユニフォーム、後ろにネコがついてる 」 姉貴と陽子さんにはほんとかなわないな。和也さんはうるさい2人の後に席につきながら、 「 どう?順調? 」 と聞いてくれる。 「 うん、とっても順調だし楽しい! 」 と答えるとなぜか店内のお客さんからどよめきが上がった。 それを聞いた3人は、 「 この店のアイドルなんだな〜〜 」 「 全く、撮影会以外でファン作っちゃった? なんかするたびにどよめきと悲鳴があがってる」 「 普通の服でも人寄せできるのね、この子は 、危ない危ない。 そういえばこのお店のラインのアップすごいことになってるわよ」 「 陽子参加してるの?この店のラインに?」 「 うん特別メニュー公開とか、美味しいもの探訪とか。前からここの大将面白いからね! 今は杏果ちゃんに夢中らしい、ファンの数がどんどん増えてるわよ」 「 そうそう、関連スタンプもすごい。 アルバイトたった2日ですごい速さで流れてる、アイドル誕生だな 」 「 え?和也も参加してんだ。皆さんひまなのね〜〜 」 口々に勝手な事を言っている。 なんだろう?僕がアイドルなの?この店の? 冗談でしょ! その間にも怒涛の勢いで注文をする姉貴と陽子さん。 和也さんも苦笑しながら自分の食べたいものをチャッカリ伝えてる。 「 そうだ、今日は酸辣湯麺が美味しいよ。 安藤君のお兄さんが作るんだけど、濃厚なスープのゴマの風味と仄かな酸味に少し辛いのがかえって食欲を刺激するんだ。玉子が最後に具に絡みついて余計に美味しいの、麺と一緒にぜひ食べてみて」 僕がそう伝えると、 「 じゃあそれもね 」 と簡単に姉貴が追加した。 「 安藤君のお兄さん名前は確かこうきさんだったよね。 今日は厨房にいるの? 」 と和也さんに聞かれたのでうんと頷くと、和也さんはおもむろに立ち上がってカウンター越しに厨房を覗いた。 洸紀さんは厨房の1番奥のコンロの前にいるからカウンターからだと見づらいかもしれない。 「 安藤君のお兄さん、呼んでくる? 」 と和也さんに聞くと和也さんはしばらく黙ったまま首を横に振って否定した。

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