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第224話

20閑話 小次郎のアイドルは、ニャンニャン その20 安藤君にそろそろ上がろうと言われて、 「 あっちのテーブルは もう帰りそう? 」 と尋ねると、 「 もうお金が持たないって叫んでるからそろそろじゃない? 」 苦笑しながら答えをくれる。 姉貴恥ずかしい、本当に恥ずかしい。 安藤君が上がったら一緒にどっかで飯でも食わない?と言うので、僕は団さんから預かったものを和也さんに渡してからて良いかと聞いた。 「 団さんから預かったもの? 」 怪訝そうな安藤君に僕もよくわからないけど、又預かっちゃったと答えると、軽く僕の頭を小突いてほっぺたを両手でぎゅっと抑えながら、 「 しょうがないヤツ 」 と僕の唇にキスしそうな距離で囁いた。 突然お店の中はやんやの歓声と呻き声とでいっぱいに! 「 どうしたの? 」 とびっくりする僕に しまったと言う顔をしながら安藤君は 「 早く上がるぞ……」 と僕の肩を抱いてお店の外に連れ出した。 「 あっ、月が綺麗だ 」 空を見上げたら月がとっても綺麗だった。安藤君と一緒なら、都会の月もこんなに綺麗に見えるんだね。 着替えた僕らは店の外で姉貴たちが出てくるのを待っている。 ありがとうございました〜 という言葉が聞こえてくると暖簾をくぐり3人が出てきた。 安藤くんと僕の 「 ありがとうございました 」 がハモると、 「 ハモったぞー うんまぁ、 ごちそうさま、で、し、た! 」 とハイテンションで姉貴に返された。 僕は和也さんに近づくと、 渡したいものがあるんだけどと話しかける。え?という表情をしながらも、僕の持ってる封筒を見て頷くと後の2人に、 「 じゃ、ここで解散。 酔ってるから、人に絡まないように帰ってね 」 と告げる。この2人が酔っ払ってるのはいつものことなので2人も 「 は〜〜い!じゃあね〜〜 」 と手を振って坂を渋谷の駅の方下っていった。 「 素直に帰った…… 」 と僕が呟くと、 「 あれ、もう一軒行くつもりだよ 」 と和也さん。 さすがよく知ってる。 和也さんにさと安藤くんとお店の前のカフェに入る。 やはり空いている二階に上がって、それぞれの飲み物を置き落ち着いたところで僕が話を切り出した。

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