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第226話

閑話 小次郎のアイドルは、ニャンニャン その22 それ以降は口を閉じてしまった和也さん。まだ少しここでゆっくりしていくという和也さんを残して僕らはカフェを出た。 カフェを出ると駅と反対の方に向かう安藤君。 「 どこへ行くの? 」 と僕が尋ねると、 「 うん、知り合いの店 」 と僕の手をしっかり握る。 周りには人がたくさんいるけど繁華街の夜の喧騒の中で僕らのことを注意して見てる人なんて誰もいないけど、 「 安藤君、手 ?」 と言うと僕の方を見て、 「 杏果お前の今日の格好、誰もはっきり男なんて思わないよ 」 たしかに僕は今日、 薄いオレンジのタイトなTシャツにダメージジーンズでお尻に可愛い刺繍のあるサブリナ丈のパンツ。 それに水玉模様のハイカットのバスケットシューズ。 頭には麻の布のキャスケット帽を被っている。 安藤君には言えないけどバイトに来るときに駅で男の人にナンパされました。 「 ちょっと背の高いボーイッシュな女の子に見えるって 」 優しく笑いながら今度は肩を抱いてきた安藤くん。 もういいや、安藤君と一緒の幸せを噛み締めよう。だってここ何週間かずっと触れることもできなかってんだから…… 暗黙の了解で、和也さんに渡した封筒のことは2人とも歩きながら話さなかった。和也さんが話してくれるまで触らない方が良いと思ったから。 安藤君はお兄さんのことが絡んでいるかもしれないから、きっと気になってるよね。 でも、今夜は僕のことを優先してくれてる、嬉しい。 ちょっと歩くと、お好み焼きという暖簾がかかった店の前に来た。 「 ここだよ。知り合いの店って。 お好み焼き食べよう、もんじゃもあるし、ここ美味いんだよ 」 「 もんじゃ?もんじゃってなに? 」 それはみんなが当然知っているものなのかと、恐る恐る尋ねると、 「 知らないの?よかった、教えがいがあるな 」 と嬉しそうに暖簾をくぐって引戸を開ける安藤君。 安藤くんのこういう明るくて優しいところ僕は大好きだよ! ぼくらがお店に入ると同時に2人のラインに着信の音が響いた。 2人でポケットのスマフォを同時に取り出すとそこには "荒ぶる羊"が凄い勢いでおっきな犬に蹴りを入れているスタンプが大量に…… サンドラさんだ〜〜 またまたハモってしまった。

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