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第231話
閑話
小次郎のアイドルは、ニャンニャン
その27
お店のお客さんたちが僕たちの会話にみんな聞き耳をたてている雰囲気がバシバシ漂ってくる。
僕の目の前を腕が通り過ぎる。
安藤君がそれ以上言うなと慌ててサンドラさんの口を封じた。
「 何よ、失礼な 」
と、サンドラさんは文句を言いつつ今度はもんじゃを食べるのに集中する。
鉄板に押し付けてカリッとさせて食べるもんじゃ。今まで知らなかったのが残念なほど美味しい。
明太子とキムチもんじゃを追加し、それも平らげた僕らはすっかり満足して会計を頼んだ。
その時のホッとした顔の二郎さんがおかしいくて思わず笑ったら、カウンターから
「 うわぁ可愛い 」
「 ヒューヒュー!」
というどよめきが聞こえてきた。
「 安藤も大変ね 」
サンドラさんのセリフに僕は疑問符だらけ……何が大変なんだろう?
暖簾をくぐって外に出ると、
まだ疑問符を頭につけた僕はほっておかれ、サンドラさんと安藤君は何やら二言三言話し込んでいる。
「 ということで 」
とサンドラさんが僕に聞かせるように少し声を大きくして、
「 行くわよ 」
と号令をかけた。
え?どこに?
「 明日杏果はバイトは休み、俺は夕方からだからサンドラさんにこの間の続きのアレをこれからお願いした 」
「 アレをこれから?」
「 そう 」
「 でも、僕パンツ持ってきてない 」
「 パンツなら私の貸してあげる!
とにかく行くわよ 」
「 サンドラさんの隠れ屋があるんだ、そこに行く 」
安藤君がきっぱりと男らしく僕に告げた。
大通りに出てタクシーを捕まえるとサンドラさんが運転手に住所を伝える。
前の席だったので聞こえなかった僕が安藤君にどこまで行くの?と尋ねると、
「 新宿だよ 」
と短く答える。新宿って広いんだけどそんなこと考えながら通り過ぎる街並みを見ていると、ふいにサンドラさんが、
「 そう言えばアナルプラグ順調?使ってる?」
「 え!」
サンドラさん、ここタクシーの中なんですけど。
安藤君も流石に驚いて、
「 サンドラさん、ちょっと!」
と言うけど当のサンドラさんは全く気にした風もない。
「 アレをきちんとこなしているかどうかで今晩の開き具合が違うのよ〜
安藤、手を抜いてんじゃないよ!」
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