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第242話
教えて、サンドラさん その10
( 安藤王国 )
「 王国さ、ゲイじゃないだろ 」
「なんの話?」
「 最初っから男だけ好きなんじゃないよね 」
「 そうだよ 」
「 女とも付き合えるし抱けるし、子どもも作れるんだ 」
「 なにが言いたい?」
「 杏果のことやめちゃえば?」
「 え?」
「 だからさ、女の子の代わりにしてるならやめてくれってことよ 」
「 代わりになんてしてない!」
「 じゃあさ、あんたが杏果のものを挿れても良いんだね。別に杏果ばかりネコやる必要ないよね 」
俺がネコ?考えてこともなかった。
「 挿れるのが当然って顔してるね 」
そりゃそうだろ、俺と杏果で杏果が俺に挿れるの?思わずブルっとした俺を見てサンドラさんが忌々しそうに続ける。
「 見下してるんじゃないの?なんで?どこに腹立った?杏果が他の男と絡んでたから?
この間から話に出てる映像ってそーゆーのだろ?」
「 恋人がよそのヤツに身体を触らせてディープキスしてたら腹立てるの当たり前だろ 」
「 理由があったんだろ?その話きちんと杏果に尋ねたの?」
「 聞いたよ、でも隠してることがあると思ってたら、案の定。
挿れた時にあまりにも……もっと痛がって……」
「 バカ!痛がらないためにアタシがついてたんだろ!このバカ!」
「 だけど、あんなに蕩けるように溶けるなんて……あれで本当に初めて挿れたのかよって思ったら、頭にきておかしくなったんだよ 」
「 ホント男ってやだね!お前だってセックスするの初めてじゃないだろう?そっちを杏果が気にして拒否されることは考えないんだ?勝手なやつ!」
「 あんたも男じゃん 」
サンドラさんは履いてたスリッパでパッコーンとオレの頭を叩いた。
「 杏果だって男なんだよ。それに女だとしても相手には初めてや初心を求めて、挿れる側は何回やってても良いってその考え、大っ嫌い !」
「 暴力反対!」
もう一回殴られそうなのを避けた俺は言い返す。
「 そんなこと思ってないよ。俺は好きな子としかセックスはしない!杏果にもそれを求めてなにが悪いんだよ 」
「 好きな子としかセックスしない?ふーん、好きな子にしか勃たない?それとも勃っても我慢する?」
「 た、勃たないから……」
「 へ〜ホント?」
サンドラさんの眼がキラリンと光った。
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