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第249話

お兄さんの秘密 4 「 何か思いだしたら連絡してくれ。なんでも小さな事でも良いから。それと、小次郎の息子、君の言ってた方の…… 17の頃から家を出ていてこの一年前くらいにやっと帰ってきて落ち着いた所だ。彼は殆ど家出してた間の事は喋らない。それが知りたかった事か?」 俺はそうだともそうでないとも言えずに黙ってその店を後にした。 混乱していた。考えなきゃなんないことが多すぎる。あの頃の自分事は俺さえ平気ならよかったと思っていたのに、なんで?コウって言ってたアイツはなんでそんなに長く帰ってこなかったんだろ……どこにいたんだろ。 暫く考え事をしながら歩いていた俺の手にはあの週刊誌がしっかりと握られていた。 嶺さんに会って話をすれば少しはスッキリするかもしれないな…… 俺はその足で嶺さんの事務所に足を向けた。 麻布の事務所に着くと運良く嶺さんも帰ってきた所だった。 「 おう、和也が事務所に来るなんて久しぶりだな 」 「 はい、ちょっと……」 と言葉を濁した俺に 「 なに?相談事かなんか? ちょっと、そこまで行こう。俺腹減っちゃってるから、付き合ってよ 」 そう言いながら俺の肩に腕を回して元来た道を戻ると何軒か先のビルの地下に下がる階段を降りて行く。 「 いいとこみっけたのよ。蕎麦が美味いんだ 」 と言いながらベージュの暖簾がかかった店に入っていく。 店の中きら漂うそば出汁の香りに 俺も腹が減っていたのを思い出した。 カウンターの中の大将に声をかけると、嶺さんは店の奥まったテーブル席に俺を誘う。 「 小難しい話なんだろ? 綺麗な眉間に縦にシワが寄ってる 」 と俺を席に座らせる。 「 オヤジさん、ビールね!それと板わさと川海老の唐揚げ 」 と威勢良く何品か注文すると、まだ座っていなかった嶺さんはそのままビールを取りに行った。 コップと瓶ビールを持ってくると 「 ここさ、生置いてないんだよ、だから瓶ビールで 」 と2つのコップに並々とビールを注ぐ。一気にコップを空にすると、すぐに注ぎ足しながら、 「 で、なに?」 俺は1つ深呼吸すると問いかけた 「 嶺さんは俺がゲイビデオに出てた理由知ってました?」

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