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第251話
お兄さんの秘密 6
「 最近頻繁に誰かと会ってるのか、帰りが朝になったりとか多いんだよ。明日兄貴は休みだし、それに色々、兄貴にはあるし 」
と安藤くんが言うけど、僕には無理やり乗せられたとしか思えないと告げると、
お父さんは携帯を、取り出して暫く考えてからメモリのボタンにタッチした。
みなが注目する中、
「 サガさん?安藤です。そうです、小次郎の、実は相談があって……」
サガさんって誰だろう?
「 サガさんはうちによく来る警察の人、オヤジの知合い 」
そう言った安藤君の言葉にぞくりとした。そうなんだ、このこともしかしたら大変なことなんだ。
「 杏果、座って、いまお茶でもだすから」
と、椅子を引いて座るように言われると緊張して震えていた脚がやっと動いた。
通話を終えたお父さんが僕の前にどカリと座る。
安藤君の淹れてきたお茶を一口飲んで、
「 杏果ちゃんがメモした車のナンバーをサガさん送るから 」
と言われて、慌ててスマフォからお父さんのそれに番号を送った。
何回か操作してサガさんにも送ったお父さんが酷く疲れたように、
「 まだ事件と限ったわけじゃないが、サガさんには車のナンバーは送った。
待つしかないな、明日の朝帰ってくれればいいんだけどな 」
と呟くように言うと、
「 さ、店閉めるぞ!コウちゃんもおつかれ!悪かったなうちの事情でみんなに心配かけて 」
と、厨房用の帽子をとってテーブルに手をつき頭を抱えてしまった。
心配気なコウさんも
「 それじゃ、また明日 」
とお店から上がる。
「 杏果、駅まで送るから 」
と安藤君と僕も一緒にお店を出た。
それにしても洸紀さんはどこに?
「 兄貴のスマフォ、どこにあるかは兄貴の部屋の◯パッドから呼び出せるはずだよな 」
「 え?」
「 そういうアプリを入れて機能オンしといてくれればいいんだけど 」
そう言いながら興奮して家に戻る安藤君について僕も一階に小次郎の入っているビルの上階への階段を上がった。
洸紀さんの部屋に入ると◯パッドを探す。ベッドの上に置きっぱなしになっていたそれを見つけると祈るような目で電源を入れた。
welcome〜〜の字の後に出たパスコードの認証ロック。
そうだよねロック当然かかってる。
「 クソ…… 」
と呟く安藤君、どうするの?
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