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曖昧ワーク⑪
◆ ◆ ◆
「……あんた、男相手に……よくあんなことが出来るな」
鮫島と激しい口づけを交わした後の俺は、精気でも吸われたかのようにげっそりとしていた。シラフな俺にあんなことをするなんざ、鮫島はこれが夢の世界の出来事だと勘違いでもしているのか?
「それは、お前が抵抗をしないからだ」
まるで俺があんたを受け入れたみたいな言い方をするな。何故、俺にこんなことをするのか、と尋ねても、あんたの答えは同じだっただろ?答えになってねぇんだよ。
「しないんじゃない。出来ねぇんだよ」
しかし、おかしい。シラフな俺にあんなことをして、俺が抵抗したら、どうするつもりだったんだ?確かに、酔っ払っていた時は抵抗はしなかったが……まさか、俺が酔っ払っていなかったことがバレて……、いや、そんなことは無い。っということは、奴はダメだったら、その時はその時だ、みたいな感じで行動してるのか?なるほど、つまり、これがダメ元というやつか。いやいや、勝手に納得するんじゃねぇ、俺の脳内。
「お前でも出来ないことがあったのか?それは驚きだな」
相変わらず淡々と喋る鮫島。よくあんなことを人にしておいて、そんなに冷静で居られるな。やられたこっちは……
「──ところで、何故、お前はそんなに離れた場所に居る?」
「うるせぇな!小さな抵抗してんだよ!」
部屋の隅で作戦会議。
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